SAS(睡眠時無呼吸症候群)について

SAS(睡眠時無呼吸症候群)とは

2003年春に報道された山陽新幹線の居眠り運転。原因が運転士の睡眠時無呼吸症候群とわかり、その病名が日本中に知れわたりました。Sleep(睡眠)Apnea(無呼吸)Syndrome(症候群)の頭文字をとってSAS(サス)とも呼ばれます。

SASは、睡眠中の大きないびきや、くり返し息のとまる現象(無呼吸)が特徴です。寝ている間のことなので、本人は気づきません。もしも家族や身近な人から「大きないびきをかいて、息が何度もとまっていますよ」と言われたら、下記の(1)から(9)をチェックしてください。代表的なSASの症状です。

SAS(睡眠時無呼吸症候群)の症状

大きないびきや、くり返し息がとまる現象(無呼吸)があって

  1. 他の人と比べて、昼間の眠気が強い(大事な会議中や車の運転中でも眠い)
  2. 何時間寝ても、熟睡感がなく寝不足
  3. 朝、目が覚めた時、頭が重い/頭が痛い
  4. 夜中に2回以上トイレに行く
  5. 寝相が悪い
  6. 眠気のため仕事などに支障が出る
  7. 車の運転中も眠気をがまんできない
  8. 居眠り運転のため、事故を起こしたり、起こしかけたことがある
  9. 体重、体型について(ア)(イ)のいずれかがあてはまる

(ア)肥満体である。特に中高年世代で二重あご、猪首である。
(イ)肥満体というほどではないが、あごの作りが小さく、のど周辺

の骨格がほっそりしている。また、20歳頃と比べれば体重が何キロも増えている。

昼間の眠気との関連性

睡眠中の無呼吸が、どうして昼間の眠気と密接に関連するのでしょうか。
いびきや無呼吸は、寝ている時にのどの空気の通り道(気道といいます)が狭くなったり、ふさがるために起こります。ふさがって無呼吸になったら、そのまま窒息してあの世にいってしまうのではないか、そんな心配が思い浮かびます。でも大丈夫、人間のからだにはちゃんと解決策が備わっています。

ふさがった気道をひろげて、呼吸を再開するには、目を覚ませば良いのです。人間のからだは息がとまると、窒息を防ぐため、無意識にほんの一瞬目を覚まします。これを「覚醒反応」といいます。本人も気づかない程度のごくごく短い目覚めです。その結果、瞬間的に気道がひろがり、めでたく呼吸が再開します。窒息死の心配はありません。さあまた眠りにつきましょう・・・、ところが眠りに入ると、また息がとまります。

「眠りにつく」→「息がとまる」→ 「覚醒反応」→「呼吸の再開」→ 「眠りにつく」

これが一晩中くり返されるのがSASの特徴です。窒息死はしないものの、1,2分に一回ずつ「覚醒反応」が起こる人も少なくありません。熟睡なんてできるわけがありません。何時間床についても、寝不足で昼間眠くてしかたない、来る日も来る日もそういう状態が続くのがSASの怖いところです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスク

SASのリスクは眠気だけではありません。心臓や血管系の病気がおこりやすくなるという重大な合併症があります。特に重症のSASの人が適切な治療をしないと、狭心症や心筋梗塞、脳卒中の発生率が高まることが知られています。いずれも命に関わる病気です。睡眠中の無呼吸のために、くり返し低酸素状態になることが原因と推測されます。

薬の効きづらい高血圧の一部が、SASと関連していることもわかってきました。血圧をきちんとコントロールするためにも、しっかりSASを治療しましょう。心臓や脳血管へのダメージを未然に防ぐことが大切です。

SASを治療できる施設はこちら

Copyright(c) 2005 NPO法人新潟睡眠障害を考える会 All Rights Reserved.